広告だけでない企業の動画活用3つのポイント

企業の動画活用は広告だけではありません。

“私の実力では企業さん相手なんて・・・”と尻込みしているクリエイターさんもいることでしょう。

この記事を読めば、ぶんの実力が発揮できるカテゴリー動画提案の幅が広がります

企業の営業企画・販売促進の担当をしていたわたくしが、動画活用をしてきた実例で紹介します。もしかしたら、企業の担当者さんもまだ気づいていない活用かもしれません

企業から直の案件は二桁からの報酬が期待できます。興味が持てた、自信があるカテゴリーがあったらトライしてみてください。



自己紹介

1990年後半、大企業のオフィスにもパソコンが数台しかない時代に、営業企画・販促企画担当として一部上場企業の本社スタッフになりました。

当時、動画といえば商品イメージを大がかりなロケで撮影し、通信もほぼない状態でしたから、VHSテープなどで店に配布していました。

動画とはそのころからの付き合い?で、起業してからも、自ら撮影と編集を学んで動画の提案をし、受注していました。

1.社外向けの動画活用

  • TVCM
  • ホームページ(オウンドメディア)
  • リスティング広告
  • YouTube
  • Instagram
  • 展示会・サイネージ
  • 店舗

大体は大手広告代理店が仕切っていますが、ホームページ内動画は提案の余地があります。内容はイメージできると思います。

2.社内向けの動画活用

主に知識・技術の水平展開での活用です。

  • 販売方法(動画マニュアル)
  • 成功事例(インタビューやドキュメントものあり)
  • 顧客の声(VOC:Voice of Customer)
  • 施工方法などの技術

実はここが美味しいところなのです。

大手広告代理店が食いつかない価格帯の案件だからです。ところが内容は濃く、企業の販売促進などの本丸を知るチャンスなのです。

3.メディアミックスの動画活用

  • ホームページとブログ、Twitter、LINE、Pinterestなどの連携

出来ているようで出来ていない領域で、広告代理店が入っても運用まできちんと回らない分野です。効果測定のためにKPIなど数字目標を立てられることになります。

まとめ

ここまででお気づきになったと思いますが、

  1. 社外向けの動画活用は提案力、3Dや効果などテクニックが必要となります。
  2. 社内向けの動画活用は、ほとんど編集テクニックは不要ですが、撮影は必須です。
  3. メディアミックスの動画活用は、提案力と運用と効果測定が求められます。

いずれにしても、企業動画案件は、ゼロが1つや2つ違う価格で受注し、且つ、リピートも期待されますので、ぜひチャレンジしてみてください。

キャンプは情操教育の場

キャンプの季節になりました。

キャンプは子どもにとって親とのコミュニケーションの場面であり、大きくなっても思い出になるものです。

せっかくキャンプをするのでしたら、自然にふれ、いつもと違う空気や音を感じてもらいたいと思います。

とはいえ、忙しいパパ・ママはなかなかキャンプに行くことができないことでしょう。

でも今は、おうちでキャンプがちょっとしたトレンドです。

お部屋の中やお庭にミニテントを張ったり、タープを吊るしたり。

「今夜はキャンプだから、電気の灯りは使わない生活しよ」

「夜ごはんは、非常食を食べてみよう」

キャンプすることが災害時の準備にもなりますよね。

おうちキャンプ

キャンプにプロジェクターを持っていこう

屋外でのキャンプ、おうちキャンプの両方にお薦めするのがプロジェクターです。

キャンプといえども、特に小さいお子さんはとかく飽きてしまうもの。

そこで登場するのが、プロジェクターなのです。

最近のお子さんはビジュアル世代ですから、スマホやタブレットを使って遊んでいたりしますよね。

そこでプロジェクターを使って大映像を流すと、もうその中に引き込まれていきます(大人もですがw)

おうちキャンプでは、壁や天井に満点の星空を投影してみたり、本当は屋外のキャンプ場で見つけることができたかもしれない昆虫や動物などの映像を流してみたり。お子さんの興味は広がり、これぞ情操教育です。

今は持ち運びができるプロジェクターもありますので、お庭キャンプ、屋外キャンプで風に吹かれながら映像を観ることができます。

天空映画館が持ち歩ける【CINEMAGE】

住宅の未来を考えるプランナーがおすすめする暮らし

私は長年住宅メーカーの営業と企画、それから研究職を勤めてきました。

現在は住宅にまつわる未来の暮らし、地域の暮らしのプランナーをしています。

そんな私がおすすめするのが、お友だちやご近所とのコミュニティづくりです。

今回は、おうちキャンプ、お庭キャンプ、本格的な屋外キャンプのお話しをしましたが、キャンプはご家族だけでも楽しめますが、コミュニティの促進にもなるのです。

その時に活躍する一押しアイテムがプロジェクターです。

キャンプで楽しいひと時をお過ごしください。



この著書は、米国調査会社CEBが主に大手企業と大手企業を舞台にした
B2Bの新しい営業法を解説したもので、神田昌典氏が輸入してきた実践本です。

これをクリエイターさんやフリーエージェントの皆さんに、どうお伝えすれば良いか?


ずいぶんと噛んで噛んで解釈した結果、全部をお伝えするよりは、

商談・プレゼンした後に数日待たされる、その間の不安、
クライアント内で話はちゃんと伝わっているのだろうか?
それに対して、返事の連絡を待つしかないのだろうか?

ここに的を絞って一緒に考えるものにしようと思います。
(正直、この本の通り実行するのは大変ということもあります)

企業営業のアポイントメントのとり方や初回プレゼンの際のトークや注意事項などは
百戦錬磨のプロにアドバイスをもらってもらうとして、
ここでは、

企業営業はこれから、という方には
「クライアントの裏側ってこうなってるんだあ」

そして、企業営業をすでにしている方は
一緒に対策を考えてみてください。

目次

顧客満足から顧客の成功への転換(超要約)

5.4人の興亡

37と57のギャップ

購買プロセスの概略イメージ

メンタルモデルの相違による問題

顧客関係者の7つのタイプ

営業が好む顧客関係者タイプ1

営業が好む顧客関係者タイプ2

モビライザー適性診断

モビライザーに買い方をコーチする

コレクティブラーニング(集団的学習)

刺激的なインサイト事例1 最新の歯科器具販売の例

刺激的なインサイト事例2 ゼロックス社コピー機販売の例

引き寄せて一緒に考えてみましょう(動画の営業のケース)

あとがき

ということで、超要約から。

顧客満足から顧客の成功への転換(超要約)

上手に売るのも大変であるが、顧客が上手に買うのをどうやって手助けすればよいか?

最大の競争相手は、ライバルの販売力ではなく、むしろ顧客の決断力である。

顧客の購買プロセスに対するサポートをもっと重視しなければならない。

これらに対するアプローチ方法が述べられています。

(要約にもなっていませんw)

5.4人の興亡

購買決定に関わる人数は平均で5.4人であると述べられています。

が、大企業でなく、大規模な商談でもなければ、

話半分としても3人は購買の意思決定にはかかわっているでしょう。

ここでは、5.4人のままとしますが、単なる人数の問題ではなく、

多様性の問題であり、集まって決定を下すとなると話は面倒になります。

グラフの通り、購買決定に関わる人が増えるごとに

買ってもらう可能性が低くなります。

かと言って、それを回避するために、全員を追跡し説得する営業なんて出来ませんよね。

(従来の営業は、頑張って関係者総当たりを目指しています)

37と57のギャップ

あなたに接触して直接のアドバイスをもらう前に、

実はクライアントでは平均で購買プロセスの57%まで進んでいます。

その途中、クライアント内で関わる人たちの対立は37%の時点でピークに達しています。

そのピークの中心テーマは「ソリューションの特定」であり

「サプライヤーの選定」ではありません。

つまり、たとえば販売促進でしたら、

動画を使うのか、紙媒体を使うのか、といった対立です。

購買プロセスの概略イメージ

購買プロセスはどのように進むのか、概略イメージです。

スタートは「顧客の現状」、つまりクライアントの中の1人(か2人)が

「変わる」必要性を感じるところから始まります。

「変わる必要」を感じたクライアントの1人は、

フェーズ2「新たな行動に挑戦しようとする個人の意向」へ進みます。

購買決定に関する集団、自分以外の残り4.4人の合意にむけてフェーズ3に進みますが、

ここで1人の「私」から複数の関係者の「私たち」、個から全体へ移行します。

他の関係者を巻き込み、説得し、合意させなければならない難しい仕事です。

ですが、逃げては通れません。

集団の合意を得るために、プロセスのどこかで関係者同士をつなげなければならません。

メンタルモデルの相違による問題

1人1人、違ったメンタルモデル(考え、価値、思い込み等)があります。

共通の目標に合意できず、しかし何かに合意しなければならないため、

波風立てないように間をとって合意しようとする、または何もしないという合意をする。

これがコモディティ化の罠の正体で、合意形成にしくじると

なんと製品・サービスを購入する可能性が50%も少ないのです。

顧客関係者の7つのタイプ

冒頭、クライアントの意思決定に関わる人は5.4人いて、

それは人数の問題ではなく、多様性の問題である、と述べました。

では、どのようなクライアントにあなたは接するのでしょうか。

ここでは、7つの顧客タイプを挙げます。

「私は、このタイプのクライアントさんが望ましいかな?」

くらいでみておいてください。

 

営業(あなた)が好む顧客関係者タイプ

この図の「ハイパフォーマンス」というのは、やり手営業、

「普通のパフォーマンス」は、文字通り普通の営業と読み替えてください。

やり手営業が、取引先キーマンとして選ぶのが、

「ゴー・ゲッター」「ティーチャー」「スケイプティック」です。

普通の営業がキーマンとして選ぶのは、よく話を聞いてくれ助言をくれる

「ガイド」「フレンド」、そして自分の手柄にしようとする「クライマー」です。

営業が好む顧客関係者タイプ

合意形成に向けて、組織的行動を推進する可能性が高いか低いかを示したグラフです。

左3人を「モビライザー」と呼び、右3人を話し好きな「トーカー」と呼びます。

モビライザーは、購買に向けて推進する可能性が高く、

このグループをあなたが味方につければ、31%パフォーマンスが上がります

とはいえ、組織行動を推進するくらいの人たちですから、

あなたとの商談に気持ちよく対応してくれるとは限りません。

一方、話好きのトーカーは、あなたに組織内の話をしてくれたり、

時間をつくって相談にものってくれる、ある意味やさしい人たちです

でも、このグループは、購買意思決定を推進する可能性が低いのです。

 

モビライザー適性診断

では、このモビラーザーをどのように見つけ出すか、のフロー図です。

「刺激的なインサイト」のインサイトって何?はあとで話すとして

ここでは新しい情報、たとえば「動画活用の有効性」とでもしましょう。

商談相手が知らない情報を与えるところから始まります。

関心を持った場合、挑戦的・刺激的な質問をするか?

商談中に身を乗り出して、「それ本当の話なの?」と食いついてきても

ドギマギしないでください。

あなたのプレゼン内容に引き寄せられた証拠です。

組織と自身のどちらを優先するのか?

ニーズや課題を、部門や会社全体について語るか?それとも自分のことを語るか?

「たしかに、そう言われればわが社にはそういう課題があるな」

というのはYES

「うん、じぶんもそう思ってたんだよね」

というのはNOです。

事実を話すか、意見を述べるか?

会社や部門のニーズや課題に対して、

「事実、わが部門ではこういうニーズがあって、こう困っている」は、事実を

「わたしとしては・・・」という方は、意見を選択。

モビライザーなのか、トーカーなのか

ここでおおよそのモビライザーとトーカーの分類ができます。

次のステップの「調査やタスクを依頼したり、影響力を調べたりしてくれるかどうか」

で、モビライザーであることを確認できます。

注意しなければならないのが、

モビライザーは、肩書きが偉いかどうかではないということです。

 

モビライザーに買い方をコーチする

商談相手がはじめからモビライザーだとラッキーですが、

そうでなかった場合は、なんとかモビライザーに会えるきっかけづくりが必要になりますね。

ここの課題は、百戦錬磨の営業経験者にアドバイスをしてもらってください。

さて、モビライザーに会えばあなたがすることは、

モビライザーの力になることであり、買い方をコーチすることです。

「この人なら状況を理解し、私の取り組みをサポートしてくれる」と

モビライザーに確信させることです。

  1. モビライザーの注意を惹きつける
  2. 行動変革を支持したいと彼らに思わせる
  3. 共通のビジョンのもと、他の4.4人の支持を集めさせる
  4. そのビジョンをきっかけに、顧客にサプライヤー独自のソリューションを想起させる

合意形成プロセスへの対応に必要な計画作成や考察の負担を軽減してあげること。

そして、モビライザーをコーチしてチームをコレクティブラーニングに関与させることです。

 

コレクティブラーニング(集団的学習)

この狙いは関係者とあなたをつなげることではなく、関係者同士をうまくつなげること

合意形成を後押しするために、学習の場を準備することです。

簡単にいえば、同じ土俵の上に関係者全員にのってもらい、学習・体験をしてもらうことです。

同じ学習・体験をすれば、個々の判断がどうなるかは別として、

同じ方向を向き、同じインプットをされた状態になります。

モビライザーにお膳立てをコーチすれば、5.4人総当たり営業をしなくても良いのです。

では、モビライザーにここまで関係者を動かす動機をどう与えるか?

つまり「刺激的なインサイト」をモビライザーに与え、考え方を変えようと思ってもらうかです。

「刺激的なインサイト」の2つの事例を簡単に紹介します。

 

刺激的なインサイト事例1 最新の歯科器具販売の例

売ろうとしているのは、衛生士さんが使う歯科器具です。

スペックはどれも業界トップ、さらにはコードレスになっている最新型モデルです。

歯科医院長は言います。

「素晴らしい機器なのは十分理解した。でも、まだ以前の機器のリースが残っている。

 今最新型を購入するつもりはない。」

歯科医院の目標は、利益を上げることです。

まだ残金が残っていれば当然の選択かもしれません。

ここで歯科器具メーカーの営業は、医院長との会話の中に

衛生士さんが休職することを聞きます。

この歯科医院では、衛生士さんは、手首を痛めて治療をすることが多く、

これまで多数の衛生士さんたちが休職や退職をされていることを聞いたのです。

衛生士が一人いないということは、経営上の目標の利益を上げることの課題になります。

メーカーの営業は、データを探し、ヒアリングをして回りました。

この医院のほかにも多くの衛生士さんたちが職業病とでもいうのか、

同じ痛みで休・退職をしている現状を知りました。

そして、その原因が、重たくてコードがあり、取り回しが不便な歯科器具で

繊細な治療を施しているのが理由であることを突き止めたのです。

ここで売り込もうとしていた歯科器具のメリット(軽くてコードレスなど)と、

利益を上げたい医院長の思惑が一致したのです。

衛生士さんの健康を大事にすることが経営上でも大切なことであるというインサイト。

こうして、歯科器具メーカーの営業は、売込みに成功したのです。

この事例のように、クライアントが気のつかない情報を与え、

考え方を変えさせる提案が「刺激的なインサイト」です。

 

刺激的なインサイト事例2 ゼロックス社コピー機販売の例

ゼロックス社が開発したのは、コストが安くメンテナンスが楽なカラーコピー機です。

まだ白黒コピーが全盛の学校への売込みです。

やはり、技術力は理解してもらえましたが、まだ白黒でよいという答えでした。

営業は考えました。オンライン授業ではカラーなのに、配布する資料は白黒でよいのか?

そこで営業は、色が生徒の学習効果に影響をする、というデータをとったのです。

学校側は、生徒の学習向上が目標のひとつですから、

カラー印刷が生徒の学習向上効果に良い、と気づくと購買行動を起こすことになるのでした。

 

引き寄せて一緒に考えてみましょう(動画の営業のケース)

わたくしは動画のプロではないので、逆にクライアント側の目線でみてみます。

提案の動画は、美しさやクオリティでの差やインパクトの差があることは理解できる。

それはクリエイターさんの腕の差でしょ。

動画は、一部の若者の媒体であって、やはり紙媒体の訴求力にはかなわない。

動画は、ホームページをしっかり作っておけば別にいらないのではないか。

怒らないでくださいよ。

あえて、クライアントのスケイプティック役を演じてみました。

さて、あなたは、わたしの上記のようなメンタルモデルを壊し、

新しいメンタルモデルをつくらせるために、どのような提案をし、

更には、わたしを使って購買意思決定チームを動かそうとしますか?

わたくしがクライアントだったら、こう動いて、こう思う、というイメージで書きます。

・売込みにきた動画クリエイターさんは、どういう人?

  ホームページを見にいきます。

  ポートフォリオ、これまでの事例、私はこういう人、想いって掲載あるか?

  動画に対するマーケティングの知見はその中に見つけられるか?

・クリエイターさんに会ってみけど、作品の内容は素晴らしかった。

 でもやっぱり紙媒体では?

  クライアントである私が売りたいもの、伝えたいものの理解は出来たのだろうか?

  紙媒体が有効だと思っている私の考えを変えさせるインサイトはさきほどあったか?

・クリエイターさんが教えてくれたインサイトは衝撃だった。動画活用にも納得した。

 しかし、これを関係者にどう伝えればよいのだろうか。

 関係者全員にはなかなか会えない。

 みんなに理解してもらうには、どうしたらよいだろうか?

考えられる対策としては、

モビライザーが関係者の合意がとりやすくする後ろ盾になるために、

たとえば、動画が有効であるということの理解、学習をしてもらうため、

ホームページでの情報を増やし、関連する情報のリンクをつけたEメールを

モビライザー経由で関係者全員に転送してもらい

コレクティブラーニングをしてもらうのはどうでしょうか?

余談ですが、ここまで書いていて、

超優秀なブロガーさんたちが伝授している

ブログの書き方と同じなのではないかな?

そう思っているところです。

初回のプレゼンから返事を待っているだけではもったいないです。

さて、あなたなら、どのように動きますか?

 

あとがき

この本を読もうと思ったのは、神田昌典氏が輸入してきたもので

且つ、ダニエル・ピンク氏が推薦していたからです。

久々に読み込むのに手こずった著書でした。

ましてや、これをどのようにお役に立ててもらえるかどうかを考えると

いつも以上に時間がかかってしまいました。

今回ご紹介した内容は、ほんの一部、イントロダクションにすぎません。

まだまだたくさんのことが書かれています。

ブロッカーへの対策はどうすればよいかなど、

ご興味がある方は、手に取ってみてください。

それでは、あなたの成功を祈願して終わります。

世界最先端8社の大戦略「デジタル×グリーン×エクイティ」の時代

著:田中道昭 日経BP(2021)

 AMAZONにリンク(目次等ご確認下さい) 

立教大学ビジネススクール教授の田中道昭先生の著書です。

企業戦略としてDX(デジタル・トランスフォーメーション)

世界最先端8社の事例を挙げながら、

「デジタル×グリーン×エクイティ」を中心に据え

サーキュラー・エコノミー(循環型経済)をグランドデザインとして

「人×地球環境主義」をパーパスに。

という主張の内容です。

では、いつも通り要点に絞り、わたくしが何を引きつけたかを最後に述べたいと思います。

世界最先端8社

ここで取り上げられている企業と要点は、

  • アマゾン 「カスタマーセントリック」
  • セールスフォース 「カスタマーサクセス」
  • マイクロソフト 「成長マインドセット」
  • ウォルマート 「企業文化を刷新」
  • ペトロン 「CXを徹底的にこだわる」
  • テスラ 「宇宙レベルの壮大さ×物理レベルの細やかさで地球を救済」
  • DBS銀行 「会社の芯までデジタル化」
  • アップル 「デジタル×グリーン×エクイティ」(解説なしのため筆者が追加)

「主義」の転換

まだ多くの企業が自社中心主義を抜け出せていない中、

日本の先端企業も顧客中心主義を掲げ進化をしようとしています。

顧客は利益の源泉であることは自明の理ですが、

著者の田中先生は、これからは

人間中心主義

であると述べられています。

ここでいう人間とは「顧客・従業員・取引先・地域社会」

のステークホルダーです。

この人間中心主義は、国が掲げた「Society5.0」が目指す世界であり

合致している方向です。

さらにこの先は、

カーボンニュートラルに代表される地球環境への取り組み

エクイティ(本来は公平・公正という意味ですが、

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンを含めた表現になっています)を挙げ、

「デジタル×グリーン×エクイティ」からの人×地球環境主義を

パーパスの根底に据えた企業戦略の方向性の必要性を説いています。

グランドデザインの転換

企業中心主義では、

リニア・エコノミー(大量生産・大量消費・大量廃棄)

であるものを

3R(リデュース・リユース・リサイクル)にプラスして

資源投入量・消費量低減、ストック利用、そしてサービス化を持ち合わせた

サーキュラー・エコノミー(循環型経済)

への転換が必要であると述べています。

デジタルシフトに求められる「5つのシンカ」

上記の転換は、デジタルシフトによって成されるものであり、

デジタルシフトには、「5つのシンカ」があると説いています。

  1. 「本質」のシンカ
  2. 「CX」のシンカ
  3. 「データ分析」のシンカ
  4. 「つながる」シンカ
  5. 「経営スピード」のシンカ

 これらの「シンカ」については、本著書をお読みください。

引き付けたこと

わたくしの回りの企業でも、DXの号令が声高らかに叫ばれています。

しかし、内容を訊くと、DXとは自社内の業務改善をデジタル

と言っているような気がしてなりません。

DXは何のためなのか、もう一度問い直してはいかがでしょうか。

それから非デジタルネイティブが多い、

つまりモノづくりの日本企業において参考にするべき今回の事例は、

ウォルマートとペロトンです。

ウォルマートはアマゾンの台頭によって衰弱企業かと思われていましたが、

どっこいDXで凄い進化を成し遂げているのです。

古くは「クリック&モルタル」デビッド・S. ポトラック (著), テリー ピアース (著)(2000)

非リンク

を2000年に読んだときから感じていたのですが、

リアル×バーチャルのシームレスな融合がこれから求められる

と思っていました。

ウォルマートは、ご存じの通りリテール(店舗)No.1企業です。

この伝統的企業がDXを機に息を吹き返し、更に進化している事例は

日本のリアル店舗中心企業には参考になると思います。

また、ペロトンはフィットネスバイクのDXでイノベーションをした企業です。

売って終わりのフィットネスバイクをベースにSaaS企業になり

フィットネス業界のアップルとまで呼ばれています。

売り切りモデルが多い中、素晴らしいモデルだと思います。

出典:文春オンライン

そして、ソーシャル・イノベーション・エヴァンジェリストを自称する身として

顧客主義(→人間中心主義)への転換に、

企業市民という考えを持ち、地域社会との共存共栄

どのようなビジョンをもったDXを進めていくべきか

改めて考えさせられました。

田中道昭先生の著書は、非常にわかりやすい解説になっていますので

ぜひご興味のある方はご一読されることを希望します。